カノエパーク

5/26 2nd mini album 「カノエ上等。」リリースツアー@梅田Shangri-La

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 5月26日のお昼過ぎ、嬉しいニュースが飛び込んできた。カノエラナの新曲『たのしいバストの数え歌』のMusic Videoが解禁されたのだ。しかも7/19リリース3rd mini album「カノエ暴走。」のジャケットや収録内容、そして新しいアーティスト写真まで。

 『たのしいバストの数え歌』(通称『たのバス』)のMVを鬼リピート見し、THE STARBEMS日高央氏によるパンクサウンドの夏感、1Take長回し撮りのカノエの歌と動き、アニメーションリリックが散りばめられたウィットに富んだ内容、そしてそしてシンガーソングラドル・藤田恵名さんのキュートなおっぱい!に悩殺され、今晩の期待が200%に高まる。

 会場の梅田Shangri-Laの前には開場前から長蛇の列ができ、既にグッズを身にまとった勇者で溢れていた。ツアーの初日がここ大阪、先月までの弾き語りツアーでの大阪公演(4/9 南堀江knave)でも大阪特有のノリの良さにすっかり上機嫌(いや洗礼を浴びたというべきか?!)のカノエくんが、初日の緊張感と大阪が持つグルーヴにどうケミストリーを起こすのか?と楽しみは増すばかり。

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 定刻を少し過ぎた頃、ステージ前の幕はまだ閉じたまま、そして客電が暗くなると同時に『私立カノエ厨学校校歌』のピアノイントロが始まった。弾き語りツアーでも同様の始まり。ただ、今回は生演奏感がある。(その後のMCで、やはり生演奏だったことが発覚。)

 ワンコーラス終わったあたりで 「ジャーン」というバンドインにあわせて幕が開き、大きな歓声と共にカノエ登場。真っ赤な羽織に身を包んで、あれ?これはもしや?!の『たのバス』MVの衣装、さっき見たばかりのMVのカノエラナが現れ一気にテンションが上がる。

 「ワン・ツー・スリー・フォー」と始まったのは恒例『カノエラナです。』、1曲目サビからフロアのボルテージはMAXである。立て続けに本ツアーで初披露となる『マネキネコ』、サビでは全員での「マネキネコポーズ」が楽しい(笑)。続いて『トーキョー』では「笑え♪オーサカー」とフロアを煽り、大阪の勇者は「ウォー」と(テンション高めに)答える。

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 オープニングを駆け抜けたカノエはMCで「ステージが高かー」とステージ高に感動した様子。前回の弾き語りツアーでは会場キャパシティーの関係もあり、ステージの低い会場が多かったのだとか。それで背の低いカノエ(153cm)は後ろのほうは見えなくなってしまっていたようだ...。

 一息おいて『おーい兄ちゃん』『恋する地縛霊』と、立て続けにカノエワールド全開の楽曲を投下。『恋する地縛霊』では「私は恋する地縛霊~♪」の地縛霊コール&レスポンス。なんだこの空間は、とふと思ってしまう摩訶不思議さがカノエラナのライブです(笑)

 「4年前上京して初めて書いた大事な曲」として紹介された『星と太陽』をしっとりと堂々と歌い上げる。現在21歳で、上京後というか高校卒業してからこれまできっと多くの経験もしたからこそ歌える『星と太陽』は、当時とは良い意味で別物なのだろうな、と思ってみたり、当たり前だけど...。幻想的なプロローグで始まる『 I 』その後の『ひとりかく恋慕』でハイエモーショナルなバンドサウンドに突入、前半にして圧巻のピークを迎える。

 メンバー紹介を交えたゆるーいMCの後、牧歌的なバンドアレンジの『こまか』、そしてアコースティックな『大事にしてもらえよ』と、ゆったり身体を揺らして聞くのが気持ちいい曲が続く。

 「前回の弾き語りツアーはほんと寂しくて(笑)、なんとか17本演って、今も(毎クール10何本見てる)アニメも見れないぐらいライブに没頭してるから、人ってすごいなと思いました。」 「弾き語りも大事にしていかないかんな~と思った。」と、弾き語りツアーの修業的経験?!と今の気持ちを語った後、ブルジーな『恋とか愛とかそーいうの』をサポートギター芳賀義彦と二人で弾き語る。アコースティックギターアンサンブルが心地よく会場に響いた。

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 バンドが戻り、これも初披露の『ピザまん』をハンドマイクでしっとりと歌い上げる。が、後のMCで「『ピザまん』を歌うときの気持ちの置きどころがわからない」と衝撃の告白(爆笑)。ピザまんを3個食べるの凄いとか、食べたいとか、よく分からない(笑)状況になるも、それをふき飛ばすように始まった『シャトルラン』で全身が踊り出す、さあさあ後半戦の始まりだ。立て続けにキラーチューン『ヒトミシリ』に突入、いつものように初心者に優しく 、「ワン!」としっかり声出し練習でみんなを煽り、本番スタート。サビで全員で"ワン!"の連呼は一体感いっぱいで楽しい楽しい、自身も3回回ってるオーディエンス達も何とも楽しそうだ。メンバー、フロア、全員でジャンプしてまだまだいけるモード全開。『モットアタシヲ』でみんなでワイパー!?して最後の曲、「まーつりだ」といえば「ワッショイ!」の『夏の祭りのわっしょい歌』、タオルの埃が飛び狂う大盛り上がりのエンディングとなった。

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 アンコールでは本ツアーのグッズのTシャツをメンバーお揃いで。ここで、本日お昼にあった解禁情報などがカノエから直接アナウンスされる。そして、神妙に 「巨乳なんかに負けないぜ」とカノエ。爆笑をさらい、客席からは「おっぱい!」 と男性の声、「がんばれー」と女性の声(笑)。「ABCDEFG あなたが好きなの何カップ~♪」と待ってましたの『たのしいバストの数え歌』。こんな曲カノエにしか作れない(笑)、元気よく歌う姿も丸。おバカなMusic Videoも公開されたばかりだが、あっという間に浸透するな...。さらにもう1曲、テンポよくメンバー紹介をした後、アンチ夏ソング?!『真夏に片想い?』で会場がさらに一つになった。

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 このライブレポートをご覧になる頃にはツアーは無事終了しているはずだが、きっとこのツアーを体験した方は、カノエラナの「これから」が楽しみになったに違いない。幅広いソング・ライティング力と確かな歌唱力を持つ彼女だが、前回の弾き語りツアーとこのバンドツアーを経て、さらにフロントマンとして成長したように感じる。きっと来年、いやもしかしたら今年中にでも一層地に足をつけて発信する「アーティスト」カノエラナに会える気がしてならない。そのときは「まーつりだ」の後の「ワッショイ!」がもっと大歓声なのを目撃したいな。

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Text by カノエパーク編集部
Photo by センキャメ

2nd mini album 「カノエ上等。」リリースツアー
「とうめいはーん!!!ふくをマネくぜ勇者たち。」【バンド編】SET LIST

OP.私立カノエ厨学校校歌
1. カノエラナです。
2. マネキネコ
3. トーキョー
4. おーい兄ちゃん
5. 恋する地縛霊
6. My World
7. 星と太陽
8. I
9. ひとりかく恋慕
10. こまか
11. 大事にしてもらえよ
12. 恋とか愛とかそーいうの
13. ピザまん
14. シャトルラン
15. ヒトミシリ
16. モットアタシヲ
17. 夏の祭りのわっしょい歌

EN1. たのしいバストの数え歌
EN2. 真夏に片想い?

Vo.&A.G. カノエラナ
Gt. 芳賀義彦
Ba. 木谷将夕
Dr. 片山タカズミ
Key. eji

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4/9ご挨拶ワンマンツアー2017@南堀江knave

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 大阪と言うと一見ライブが盛り上がりそうなイメージもあるが、同時に時に鬼門にもなる場所で、リアクションが正直なオーディエンスに苦戦するアーティストもしばしば。そんな中、地元でもないのに真っ先にソールドアウトしたという事実は、楽しむことに貪欲な関西人のお眼鏡にかなった確かな証拠だ。オープニングから、朗らかな歌声でライブのマナーと楽しみ方を指南するオープニング曲『私立カノエ厨学校 校歌』をじっと拝聴する生徒諸君=オーディエンスの姿は、まさに朝礼(笑)。そこについに現れたカノエラナに大いに沸き立つ会場は、って言うかまだ歌ってないのにいきなり100%テンションMAX(笑)。ライブMCの聞き飽きた常套句「楽しむ準備はできてますか!?」なんて聞くのも野暮な状態で、しょっぱなから大合唱が巻き起こる祝祭ムードには圧倒される。『トーキョー』をはじめ、きっちりアゲつつしれっと自伝的な楽曲を立て続けに披露する様は、従順な生徒諸君はもちろん、初見の転校生もおいでおいでと受け入れる極めてオープンな校風です(笑)。

 「(お客さんのウォー!の声に)面白いぐらい元気ですね(笑)。佐賀県唐津市出身のシンガーソングライター、カノエまでが苗字、ラナまでが名前、カノエラナです! 大阪の人も"トーキョー!"って言ってくれるんですね(笑)。ここまで10公演やってきましたけど、大阪が一番元気。パワーに押されて何を話すか忘れそう(笑)」なんて彼女がたじろぐのも納得。MCに隙あらば即ツッコミを入れてくるオーディエンスとの関係性も、何だか微笑ましい。ここからは、サラリーマンの上下関係を皮肉とユーモアたっぷりに切り取った『おーい兄ちゃん』、女性目線から"おっぱい"を歌ったレアケースにして新機軸『たのしいバストの数え歌』と、身に覚えがある男性からするとワキ汗が止まらない曲が続く(笑)。

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 「予想の2倍ぐらいの声が返ってくるからMCでパワー使いますね(笑)」と相変わらずの大阪の熱に打たれつつ、"○○子のコーナー"=各公演にまつわるカノエラナ作のオリジナルキャラクターの紹介へ。気になる大阪では..."たこ やき子"と、まじりっけなしのベタさもかわいいぞ(笑)。そして、ここからは一転、『恋とか愛とかそーいうの』『嘘つき』『大事にしてもらえよ』と聴かせるナンバーが続く。トリッキーな目線だけでなくシンガーソングライター然とした楽曲群は、彼女の実力の片鱗をきっちりと感じさせる。友達の失恋話の愚痴を聞きつつしっかりメモを取ったという『嘘つき』のエピソードには音楽家としての性を感じるが、地元の佐賀から頻繁に電話をかけてくるその友達も、「私が電話したら歌詞になるでしょ?」なんて、分かってらっしゃるありがとうございます(笑)。

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 ここで、ギターを置いてキーボードにスイッチ。シリアスな『あなたとわたし、あかねいろ』を切々と奏でる姿の、MCのほっこり具合との落差にグッとくる。「これは病んだときに書いた曲です」とさらりと言ってのけた『慟哭』も同様で、実はギターよりもピアノ歴が長いという彼女の未知なるポテンシャルをまだまだ感じる。

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 そんなムードをひっくり返す学校のチャイムが鳴り響き、ここで事前に集めた答案用紙をBOXからランダムに引きリクエストに応えていく"30秒ソング"のコーナーへ。この日は、『先輩が、好きです。』『買ったばかりの牛乳を』『ヒトミシリ』『バレンタインのうた』をお客さんとのやりとりもたっぷりに披露。関西弁の"エスカレーター"のイントネーションがなぜかツボらしい彼女が"エスカレーターで30秒ソングを作る!"と公約したので、これを読んだ皆さん、なかなかアップされなかったら本人にリプして急かしてください(笑)。

 かと思えば、今度はヅラをかぶって"地縛霊"のコーナーへ。ていうか、そんなコーナーがライブ中にあるアーティスト、観たことないわ(笑)。想像してください。200人ぐらいの人たちが、"私は恋する地縛霊"とフェイクを入れたりしながら叫んでる光景を(笑)。とは言え、ラブソング1つもお決まりではない独自の目線と、それをポップソングにしてしまう手腕には感心してしまう。

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 いよいよライブも終盤。"あとちょっとで終わりです"、"えー!"のやりとりが気持ちよ過ぎて、何度も執拗に繰り返すカノエラナ嬢(笑)。それにしても、普通は何度も何度もラリーしてようやく大きくなる声が、1回目から即出る大阪のオーディエンスのまぁ頼もしいこと。男性、女性、メガネ、コンタクト、レーシックetcとコール&レスポンスしていき(笑)、ラストの『夏の祭りのわっしょい歌』『ヒトミシリ』までドッカンドッカン盛り上げエンディングへ――!

 最後は人気マネージャー寄光さん(確かにちょっとかわいいぞ)による恒例の記念撮影。この日の撮影の掛け声は、"エスカレーター!?"、"エレベーター!"で(笑)、満員御礼ソールドアウトの大阪 南堀江knave公演を締めくくったカノエラナ。お客さんとの距離がとにかく近い、みんなで作るライブ。これからこの渦がどんどん大きくなっていったら、どエラいことが起こりそうです!

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Text by 奥"ボウイ"昌史
Photo by ヤンボー

カノエラナ ご挨拶ワンマンツアー2017
「勇者を探して三千里~ぼっちで広げる旅の地図~」【弾き語り編】SET LIST

OP.私立カノエ厨学校 校歌
1. カノエラナです。
2. トーキョー
3. おーい兄ちゃん
4. たのしいバストの数え歌
5. こまか
6. 恋とか愛とかそーいうの
7. 嘘つき
8. 大事にしてもらえよ
9. あなたとわたし、あかねいろ
10.慟哭

~30秒弾き語りコーナー~

11.恋する地縛霊
12.地縛霊に恋をした
13.ひとりかく恋慕
14.夏の祭りのわっしょい歌
15.ヒトミシリ